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「国際環境NGOフォーラム」多くの成果上げ閉会

12の国・地域から400人が"環境"で討論・交流




≪主要会場になった沖縄大学2号館≫
サミット開催に向け、沖縄環境ネットワーク主催の内外の環境NGOを集めて、広く環境問題について議論する「国際環境NGOフォーラム」が7月13日〜17日まで、那覇市の沖縄大学を中心に開かれた。 内外合わせて12の国と地域から400人が集まり、延べ5日間にわたって議論と現地視察が行われた。 第2日以降のフォーラム、第1、4日のフィールドワークの概要を 《ルポ》を交えてスケッチした。
フォーラム代表は翌18日、沖縄県庁で 記者会見し、成果を報告した。なお、フォーラムの全容は プログラム参照のこと。

【司 加人】


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参加者に強いインパクト与えた「戦地・基地めぐり」

[第1日/7月13日]
沖縄の戦後の歴史、とりわけ太平洋戦争がもたらした沖縄への影響と、50年以上たった今も米軍基地という形でひきずっている。 そういう現実を、実際に現地を見ることによって理解を深めようという意図から「戦地・基地めぐり」が組まれ、 当日は沖縄平和ネットワークの村上、川満両氏の案内で、南部のアブチラガマ、平和の礎、平和祈念資料館、読谷村の楚辺通信所・役場、 宜野湾市の嘉数高台を見学した。関連記事は 《ルポ》で。初めて沖縄を訪れた本土の人たちや外国人には相当のインパクトを与えた。




"沖縄での乱開発の停止と再生の道探るのは緊急事"
池原・玉城両氏、基調講演で強調

≪開会式で挨拶する宇井純世話人≫
[第2日/7月14日]=全体会議
〈開会式/基調講演〉午前9時30分から、メイン会場の2号館506号室で行われた。初めに、金城由美子事務局員から「開会宣言」が 読み上げられた後、宇井純沖縄環境ネットワーク世話人(沖縄大学教授)が「サミットを直前に控えたこのような時期に、 ここ沖縄で内外から多くの方々に集まっていただいてフォーラムを開くにいたったことは意義深いと考える。大いに議論し、 また沖縄の現状を見てほしい」と開会挨拶し、直ちに基本講演に移り、まず池原貞雄同世話人(元琉球大学学長)が 「沖縄の自然環境と人為的変革」と題し、沖縄の自然環境がすさまじい勢いで破壊されている。その上、普天間基地の県内移転により、 最悪の状況になりつつあり、非常な危機感をもっている。これ以上の乱開発をストップし、再生の道を英知を集めて探ることが 急務である」と、警鐘を乱打した。
続いて、第2基調報告として、玉城長正やんばるの自然を歩む会会長が「米軍基地建設が狙うヤンバルの自然」と題して、 ヤンバルの動物を中心とする自然の生態を豊富なスライドで紹介しつつ、「ノグチゲラの森とジュゴンの海を軍事基地建設による 破壊から守りたい」と結んだ。
この後、フィリピン、アメリカ、日本、中国の各代表から、世界的規模あるいはそれぞれの国の環境汚染の状況と問題点を中心とする 「報告」が行われ、午前の部を終り、午後からはカントリーレポートとしてフィリピン、台湾、沖縄の代表から各国の状況が紹介された。




「世界市場化」「軍事活動」「生活」と環境問題など
4つの分科会に分かれ、終日熱い議論展開

[第3日/7月15日]=分科会
≪フォーラムでは熱心に議論された≫
この日から4つの分科会に分かれて報告、議論が行われた。第1分科会は「世界市場化と環境問題」、第2分科会は「軍事活動と環境問題」、第3分科会は「生活から見た環境問題」、そして第4分科会は「内発的発展の取り組みと課題」で、午前9時から4会場でそれぞれの分科会での報告が、午後1時から議論が行われ、午後4時からは1会場に全員が集まって、各分科会の代表から報告が行われた。 圧巻だったのは、第2分科会に飛び入りの形で参加した「地雷廃絶国際キャンペーン(ICBL)」のカンボジア人活動家トゥン・チャナレットさんの話しで、自ら28才の時に地雷で両足を失った経験を踏まえて、「犠牲者を助けたいと思うなら、平和をつくる努力をしてほしい」と訴え、満場の拍手を受けた。また、第3分科会は午後から「農と食の問題」、「ゴミ問題」、「水辺環境の再生」の3グループに分かれてグループ討議が行われ、各グループとも身近な体験談を中心に、熱心な意見交換がなされ、熱気に溢れていたのが印象的だった。 各分科会のテーマを要約すると次のようになる。

  • 第1分科会「世界市場化と環境問題」:
    グローバル化と呼ばれる経済の世界化は、地球 とその住民(ヒトおよびあらゆる動植物)の生息環境と安全を急速に脅かしつつある が、グローバル化がもたらす環境問題の現状について報告され、次いでグローバル化 の重圧を緩和する目的で実施されている対途上国のODAや対周辺地域への公共事業 が地域の自立を妨げ、環境を破壊している実態について検討。グローバル化に対抗す る内外の市民、NGOの連帯の動きと課題について討議された。
  • 第2分科会「軍事活動と環境問題」:
    戦争による直接的な環境破壊とその後遺症、軍事 基地跡地の環境破壊・環境汚染を各国・各地からの報告を基に検証することにより、 戦時と平時における軍事活動がもたらす環境問題、健康問題、人権侵害を明らかにし た。そして、このような問題の解決や予防に向けての課題と取り組みについて議論し た。
  • 第3分科会「生活から見た環境問題」:
    かつては少数の人たちだけが分解しにくい化学 物質の被害を受けていたが、今では化学物質が生活の隅々まで浸透し、近頃では微量 の化学物質でも内分泌系を撹乱し、生物の存続を危うくする化学物質が確認されてい る。このような危機的状況は経済のグローバル化のみでなく、私たちの生き方の結果 でもある。必要に応じた生産を基本に、自然の環境に合わせた維持可能な社会に変え て行く必要がある−という前提に立ち、日常の中でどれほど化学物質の危険にさらさ れているか、何がそうさせているかを検証し、どうすればいいかを考えた。
  • 第4分科会「内発的発展の取り組みと課題」:
    経済のグローバル化にともない、世界規 模の競争社会に突入した現在、富める者と貧しき者に社会を解体し、地域社会もその 共同性を希薄化されている。グローバルな市場経済に対して、地域の主体性を回復す る内発的発展の取り組みはどのような将来像を描けるか。各国・各地域の現在的取り 組みとその抱えている課題を共有し、新たなネットワークの形成がより豊かな取り組 みを産む可能性もあり、その取り組みがグローバル化した市場経済にどのように切り結ぶのか多角的に議論した。





「ジュゴンとの共生」と「軍事基地新設」を討議
"満月まつり"では喜名昌吉の舞台も楽しむ

[第4日/7月16日]=名護シンポジウム
議論の場を屋外に移し、午前中は海外からの参加者を中心に辺野古地区を見学 (〈ルポ〉参照)し、午後からはジュゴン保護基金委員会と共催で、 シンポジウム「ジュゴンと共に生きるもう一つの地域づくりの在り方を求めて−名護東海岸における軍事基地新設問題−」に臨んだ。 そして、その夜は近くで開催された満月まつりに参加、喜名昌吉の舞台や折からの皆既月食をエンジョイした。




「沖縄は平和/環境/福祉/文化の島に」−宮本氏が最終講演
「環境に予防原則を」など盛り込んだ"沖縄宣言"を採択

[第5日/7月17日]=全体会議
最終日のこの日、メイン会場の506号教室で午前9時から、まず前日の名護シンポジウムの報告が傘木宏夫あおぞら財団研究主任から 行われた後、フォーラムの締めくくりとして、宮本憲一大阪市立大学名誉教授(日本環境会議理事)が「環境再生と維持可能な 沖縄を求めて」と題して講演。「21世紀は平和と環境の世界にしたい。G8サミットには温暖ガス削減の具体的施策の提示、 国際的環境保全組織の樹立に向けた検討、途上国の絶対的貧困解決の基本的方策、外国基地の速やかな撤廃を要望したい。 そして、風土と人材を生かし、基地の跡地を"環境都市"に変えることが沖縄がアジアの環境の要石(かなめいし)としてとるべき方向性の一つと考える」とし、さらに沖縄の将来について言及し、「沖縄は"平和、環境、福祉と文化の島"と考える。将来は、憲法95条に基づき一地域として独立してほしい」と提言した。 そして、ハイライトである「 沖縄宣言−沖縄から世界へ〜平和・環境・福祉の21世紀を〜」と題するフォーラム宣言を満場一致で採択し、午後3時過ぎに閉会、述べ5日間にわたるフォーラムを終了した。