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G8環境サミットへNGO5団体が共同行動

"21世紀は環境再生の時代。先進国らしい行動を"
おおぞら財団など環境庁長官に意見反映を要望




清水環境庁長官(正面・左から2人目)との環境NGO懇談会
環境問題に取り組むNGO5団体が4月7日から滋賀県大津市で開かれる主要8カ国環境大臣会合(G8環境サミット)を控えて、議長を務める清水嘉与子環境庁長官に、同会合で日本がリーダーシップを発揮して、環境問題に積極的に取り組むことを求める懇談会が3月18日、大津の知事公舎で行われた。5団体は、470の団体や個人の賛同を得たアピール「21世紀を環境再生の時代に」(別項参照)を手渡すとともに、4月の環境サミット、7月の沖縄サミットに「環境問題に対する積極的な取り組みとNGOの意見の反映」を求めた。この種の会合は今回が初めてで、環境庁側の姿勢を評価する声もあった。

この日の共同行動を行ったのは沖縄環境ネットワーク、気候ネットワーク、あおぞら財団、滋賀環境生活協同組合、全国公害被害者総行動実行委員会の5団体で、気候ネット変動ネットワーク(CAN)のヨーロッパ代表も参加した。懇談会は、森脇君雄あおぞら財団理事長の司会で進められたが、各代表の発言と環境庁長官の発言概要は次の通り。


●琵琶湖を抱える当地で開かれる意義大きい

〈藤井絢子・滋賀環境生活協同組合理事長〉

NGO共同行動の今日までの流れを初めに話したい。琵琶湖でのG8環境サミットの開催が昨年決まった時に、私どもに全国の仲間から、NGOは何をするのかという問合せや申入れがあった。幸い、昨年秋、おおぞら財団の森脇理事長から、環境庁の環境基本法計画の見直しのヒアリングの席で、20世紀の公害問題を自分たちの国のみならずアジア途上国へもアピールしたいんだということを伺って、それならば私たちも政府会合によらずに、NGOの力でNGOのアピールをする場を作っていきましょうというお約束して以来、この数ヵ月動いてきた。 そしてきょう、このような形がとられたことを喜んでいる。私たち滋賀に住む者にとっては、21世紀、大変なテーマになるであろう「水」環境問題でNGOと行政が人間と環境の共存をどのように実現していくのかということで動いてきたわけだが、そういう時に琵琶湖で環境サミットが開かれることはうれしい。20世紀は戦争や公害で環境破壊の世紀であったので、その第一歩がここ琵琶湖で始まることをとても意義深い。 5団体の話を聞いていただき、G8環境サミットに反映していただきたい。


●京都議定書は抜け穴だらけ。日本でのサミットは絶好の仕上げの場

〈浅岡美恵・気候ネットワーク代表〉

私たちは、今回のG8環境大臣会合に注目している。98年12月に温暖化防止京都会議(COP3)が開かれ、京都議定書が採択されたが、実は京都議定書は抜け穴だらけだ。その後の各国、とりわけ日本の取り組みを見ていても心もとない限りだ。そういう状況の中で、4月の環境大臣会議、7月の沖縄サミットが開催されるわけで、日本は京都会議の議長国を務めたのに続いて、今回両サミットの議長国を務めるわけで、京都議定書を仕上げるいい機会が与えられたと認識している。 いま、4月8日に"Don't Kill 京都議定書!"のコンセプトで内外の情報交換や日本の6%削減の取り組みの検証などを行いたいと準備を進めている。 きょうは、ヨーロッパの我々の仲間が飛んできてくれた。シュクーターさんを紹介する。


●G8各国は途上国の模範になるような方向示して欲しい

〈カーラ・シュクーター・CANヨーロッパ支部理事〉 

日本のNGOの方々と、この場に参加できたことに非常に光栄に思っている。そして、4月に行われるG8環境サミットに我々の考えを伝えることができることにも光栄に思っている。 CANの最大の目標は、温室効果ガスの削減にある。したがって、国内での温室効果ガス削減について、G8各国が検討していただければと考えている。コミュニケにはG8以外の開発途上の国々にも模範となるようなG8各国の国内対策が促進されるような文言が入ることを期待している。 加えて、京都議定書の抜け穴が閉じられることをぜひ検討して欲しい。そして、実際に温室効果ガスが削減するような効果のあるものにしていただきたいと考えている。そういう実効性ある議定書を"リオ+10"−リオデジャネイロから10年の2002年をメドに発効していただきたい。この考えが7月のG8サミットのコミュニケに反映されることをお願いしたい。


●環境NGOとの会合は意義ある大きな一歩だ

〈宇井純・沖縄環境ネットワーク世話人代表〉

沖縄環境ネットワークは1996年に日本環境会議が沖縄で開かれたときに、その参加者が中心になって作られたネットワークだ。
沖縄は数々の環境問題を抱えているが、その最大の汚染源は軍事基地だ。しかし、軍事基地だけでなく、沖縄の負担をバランスさせるためというか、多額の公共事業が沖縄で行われ、これが非常に自然破壊的であり、この点で環境アセスメントの法律が発効したことに期待している。
さしあたっては、名護市の東海岸に建設される米軍のヘリコプター基地代替地問題があり、同時に普天間基地が帰ってきた場合にはおそらくいろいろな汚染がその中にあるであろうことも予想される。
大変な課題がいっぱいあるが、今私たちが目指しているのは、琉球王朝時代にペリーや諸国の船乗りが沖縄を訪れて、世界中回ったが、こんなに美しい所は初めてだという言葉をいろいろな人が残している。それが日本の植民地になり、戦場になり、米軍の基地になり、どんどん破壊されてきたことをどうやって戻すかというのが我々の究極の目的だ。
このような国際会議にNGOが呼ばれるようになったのは1972年のストックホルムの国連環境会議の時に、いろいろなNGOが集まって発言したことに始まって、それ以来、重要な国際会議では必ずNGOの並行会議が開かれることが慣例になっている。しかし、92年のリオの地球サミットを見ると、72年に私たちと親しく議論した仲間が実はNGOとして政府の代表団に入っていた。日本だけがNGOの意見をまったく聞かない政府代表を構成し、民間団体をはじき出していた。
そして、あの会議でNGOの仲間が「日本は巨大な赤ん坊のようだ」と表現されていたことを記憶しているが、きょう、この機会にNGOの意見が環境大臣の会議に反映されるということは大きな一歩だと思う。
私たちも沖縄で7月の中旬に、おそらく世界中のNGOが集まってくるであろうから、そこで討論する場所を作り、発言する場を作って、首脳会議にも反映したいという準備をしている。その前段として、4月8日にここでどういうことが議論され、それが7月にどのように引き継がれていくか注目したいし、宜しくお願いしたい。


●公害地域の再生と教訓は再び繰り返さないための原点

〈太田映知・全国公害患者の会連合会事務局長〉

私たちは153団体で組織している被害者団体で、6月にはそれぞれの要求を環境庁長官に出すことになると思うが、きょうはサミットに向けてのことということで、一つだけお願いしたい。
そもそもなぜこんなにたくさんの被害者が生まれてきたのかということを考えると、それは開発政策なり地域開発というものがうまくやられなかったことから出てきたのではないかという結論に行きつく。そういう意味で、公害地域の環境の再生は非常に重要な意味をもっており、そのことが公害を再び繰り返さない元になるのではないかと考えている。
また日本だけでなく、途上国においても日本と同じ過ちを繰り返すということもあるので、その意味ではG8で環境問題を取上げるにあたって、日本の環境問題の取り組み方、公害地域の再生という問題は日本の21世紀のあり方という点で非常に大きな問題だと思う。日本としてやれることを通じて、我々のような被害者が生まれないようにぜひお願いしたいし、また、まだまだ公害の被害の問題は大気汚染を初めとして、基地公害の問題等山積しているので、それらを含めて環境庁長官のご尽力をお願いしたい。




これらのNGO側の発言に対し、清水嘉与子環境庁長官は概要次のように答えた。

●"環境再生の考え方"環境サミットに反映させたい
このような場をもてたことをうれしく、かつ有意義に思う。 G8の環境大臣会議はサミット開催の前に環境問題について論議し、その結果をサミットに反映するということになっているが、初めての経験なのでぜひ成功させたいと考えている。今回議題になるのは気候変動のことがまずある。これは、どうしても、今年の11月のオランダにおけるCOP6に向けて、とくに先進国の役割が大きいので、その一つのステップとして今回の環境大臣会合で詰めて行きたいと考えている。 また、確かに地球を汚しているのは先進国に多いが、これから開発が進むであろう途上国に公害の問題などなどこれまで先進国が経験したことを伝えながら、同じことを繰り返さないように、できるだけ先進国が知恵や技術を出して、全体でこの問題に取り組んでいかなければならないということをやりたい。
まだまだ困難な問題はあろうが、海外の代表からも指摘があったように、国内問題をまずしっかりやることは当然だ。先月、それぞれの国の経験を出し合った会議があったが、それぞれの各国の問題をしっかりやるということを頭に入れながら取り組みたい。 21世紀の環境の再生は大きな問題だと認識している。日本の中でも20世紀に進めてきた開発の結果が今日どういうことになっているかということを考えた時、今の状態を続けるわけにはいかない。経済や社会の仕組み、ライフスタイルを変えていかなければいけないという意識をもって臨む必要があり、それらの考え方について各国間で話し合いたいと考えている。
本日提案された"環境再生の考え方"をぜひ取り入れてG8の会合に反映させたいと思っており、まず4月の会合を成功させ、7月のサミットに反映させたい。




この後、各代表から追加発言などがあり、両者は4月8日に再会することで合意し、懇談会は終った。


●G8環境大臣会合に向けたNGOアピール(全文)

21世紀を環境再生の時代に
〜先進国は責任ある行動を、NGOとともに〜

20世紀は、戦争や乱開発、環境汚染などによる未曾有の環境破壊が進行しました。それは、数え切れないほどの人間のいのちと健康を奪い、あらゆる生き物の脅威となってきました。また、地球温暖化問題も深刻化し、いまや人類の生存基盤である地球環境そのものを脅かしています。このような事態を招いた先進諸国の責任は重大です。
21世紀は、今世紀の環境破壊に対する真摯な反省の上に立って、人びとの英知で環境は再生できるということを実践のなかで明らかにし、人類の確信にしていくことがとても大切だと、私たちは考えています。
西暦2000年という節目に、わが国にとって環境再生事業の象徴的存在である琵琶湖のほとりで開催されるG8環境大臣会合では、新しい時代の幕の開け方を議論する会合にふさわしい議論がなされることを期待します。
そして、開催地・日本で活動するアジアの環境NGOの一員として強く要請します。G8環境大臣会合の名において、「21世紀を環境再生の時代に」を先進国の共通テーマとして確認し、以下の内容を含む声明をまとめ、7月に開催される沖縄サミットの議論に反映してください。

  1. 先進諸国は、これまでの環境破壊に対する責任の大きさを自覚し、自国内の環境再生に早急に取り組むこと。
  2. 先進諸国は、自国内の温室効果ガスの排出削減を実行し、COP6(2000年11月)において、京都議定書の早期発効に必要な決定を終えるための協議を加速させること。
  3. 環境破壊の未然防止と持続可能な社会の構築に向けてともに協力しあい、途上国への廃棄物や危険な生産工程の移転を厳重に規制すること。
  4. これらの活動を、環境NGOとの連携において進めること。
  5. 上記のことを具体化するために、環境再生の政策に係わる政府とNGO、企業などがともに参画する国際ワークショップを、2001年に開催すること。
以上


* 「環境再生」について
「環境再生」とは、20世紀に爆発的で大規模な工業化・都市化、または戦争行為などによって、著しく破壊または汚染された地域環境を再生(リハビリテート)しようとする人々の行為をさす。
環境破壊や環境汚染は人々が地域の自然環境との関わりの中で歴史的に蓄積してきた営みを省みない行為によってもたらされたという前提に立って、環境再生の取り組みは、潜在的な資質・能力を掘り起こすという開発(デベロップメント)の本来的なあり方に立ち帰って、@共生の理念 A循環の理念 B参加の理念 C国際協力の理念−の4つの観点・原則から進められる必要があるという考え方。これらの取り組みは、地球温暖化を初めとする地球規模の環境問題の処方箋ともなるとしている。



*沖縄環境ネットワーク
〒902−8521 沖縄県那覇市国場555 沖縄大学宇井研究室内
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ホームページ http://homepage1.nifty.com/okikan/

*気候ネットワーク
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*あおぞら財団(公害地域再生センター)
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*滋賀県環境生活協同組合
〒555−0013 滋賀県蒲生郡安土町豊浦1273
  Tel 0748−46−4551  Fax 0748−46−4550  E-mail:econavi@mx.biwa.ne.jp
ホームページ http://www.biwa.ne.jp/~econavi  

*全国公害患者の会連合会
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