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−沖縄で初のアジア史学会開く−

"「琉球」より「沖縄」の方が古い"
外間守善法大名誉教授が基調講演



アジア史学会
アジア史学会と沖縄県主催の第9回アジア史学会研究大会(沖縄大会)が11月27日、28の両日、那覇市の県立芸術大学奏楽堂で開催された。今回のテーマは「アジアの中の沖縄」で、中国、韓国、アメリカなど各国のアジア史・人類学研究者が出席、講演や報告・討議が行われた。講演会は一般にも無料で公開された。


冒頭、外間守善大会実行委員長(法政大学名誉教授)が「アジア史の中の琉球王国」と題する基調講演を行った。その他、高宮廣衞沖縄国際大学名誉教授が「開元通宝から見た古代相当期の沖縄諸島」、王仲殊中国社会科学院考古研究所元所長が「琉球列島・奄美諸島各地出土の開元通宝に関して」、任東権韓国中央大学校名誉教授が「漂流録でみた琉球」、井上満郎京都産業大学教授が「風水思想と日本古代宮都」と題する報告講演を行い、"沖縄の位相を再発見"する興味あるプログラムだった。





基調講演を行った外間実行委員長の「沖縄と琉球はどちらが古いのか?とよく聞かれるが、沖縄が古い」など専門の言語学の知識を随所に散りばめ、一般市民にも理解しやすい講演が印象的だった。外間実行委員長の基調講演の要旨次の通り。

=アジア史に照らし、いま改めて「沖縄」を見直す時=

  • 初めから脱線するが、「沖縄」という名称は言語学的にいうと「オキ」と「ナ」と「ハ」に分けられ、意味としては 『おもろそうし』に出ているように、「オキ」は大きいという意味で、沖縄は大きい島ということと考えられる。おそらく、当時、与論島あたりから見て大きい島に見えたのであろう。ついでに波照間は「はて(果て)の島」、「はた(端)の島」で、古い時代に沖縄に移ってきた人が都への思いを込めてつけた名と思われる。
  • 沖縄はご承知のように、1421年に全島が統一された。それ以後、沖縄は「琉球」として栄える。統一琉球政府になる前に1312年にいわゆる三山時代が確立されるが、世界言語学地図を見ていて面白いことに気がついた。実は、この前後に周辺の各国の王朝が時を同じくして建立されているのだ。たとえば、大和で室町政府が1338年、中国で明王朝が1368年、朝鮮で高麗・李氏王朝が1392年、そして南に下がると現インドネシアでマジャパイト王朝が1293年、タイでアユタヤ王朝が1350年、マラッカ王朝が1402年というふうにほぼ同時代に相次いで王朝が建立されていることが分かる。これらは、偶然の一致ではなく、出来るべくして出来たといえる。
  • いろいろな質問を受ける中でもっとも多いのは「沖縄と琉球はどちらが古いのか?」とか「沖縄というべきなのか、琉球というべきなのか」という質問だが、これも『おもろそうし』を引き合いに出すが、実は『おもろそうし』には琉球という名は一度も出てこない。結論的に言うと、沖縄が古くて琉球は新しいということだ。琉球というボキャブラリーは、沖縄の先住民にとって自分の土地という感じはなく、ただ、後年、交易をするには琉球とした方が便利であり、とくに当時の大陸とは琉球が通りがよかったようだ。学説的にはまだ定まらないが、おそらく外から見て、沖縄を琉球といったのではないだろうか。
  • いずれにしても、450年にわたって王朝史をつないだ沖縄の英知はアジアの歴史の中に輝くものだと確信している。世界史の中にも300年以上一つの王朝を維持した例はない。東と西の交易中継地として存在したわけだ。火を噴くようなアジア史の動きの中で、小さな琉球王国が国家体制を整え、交易立国という国是を掲げて、東シナ海を疾駆していたわけである。15世紀における琉球王国という王朝の歴史は、いま改めて注目せざるを得ないのではなかろうか。
  • こういう目で沖縄を見てくると、これからの沖縄の在り方も見えてくる感じがする。現状、とりわけ戦後は国際法上、日米安全保障条約、地位協定など様々な法がらみで独立していけないきらいはあるが、沖縄はほどよい所に立地しているが故に、文化の輝きを持った。染め織り、漆器、陶器など小さな島で生まれたものだが、世界に十分に輝いている。オーストリアで見たパプスブルク家が15世紀に手に入れた琉球漆器は他のどこにもない素晴らしいものだった。
  • 明年7月に沖縄で開かれるサミットはそれ自体画期的なことだが、これを一過性のことにせず、ステップストーンにして沖縄の将来を考えるべきだ。いま、沖縄には130万人の人がいる。島に閉じこもって、その輪をつなぐだけでなく、どんどん国際的に出ていってほしい。沖縄はそういう歴史的実績をもっていることをいま一度思い起こしてほしい。



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