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| 《APNEC6特集》 |
| コメント〈日本からの参加者〉 |
APNEC6を振り返ってどうだったのか、日本側関係者と台湾の一般参加者からコメントを寄せてもらった。礒野さんのは帰国後に寄せてくれたもので、他の人たちは高雄滞在中に聞いた。
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未知の情報を知り、様変わりした台湾の状況を見て収穫大だった ◆ 礒野弥生 (東京経済大学 教授)
今回もまた興味深い報告、全く知らなかった深刻な環境破壊や公害についての報告、多くの情報を交換し得たという意味で、大成功だった。そして、会議全体を通じて、また最後のパネルでの台湾のNPOの報告をつうじて、現在のNPOと政府の関係について、 日本と全く違う状況をうかがい知ることができた。そして、環境とNPOと途上国にとってWSSDはなんだったのか。しごく懐疑的だった私にとって、台湾NPOの総括の仕方もまた興味深いものだった。 話変わって、現在台湾経済は「日本病」にかかっているそうだが、「経済発展」の後が見られ、7、8年前の台北と較べると、大きく様変わりしている。何より印象的だったのは、第1に建設中だったMTRがすでに4本となっていて、台北駅の地下街は人々でごった返していた。そして、前回は広い道路が空き地の中をとおり、その彼方に台北市役所がぽつんと建っていたという印象を持っていた場所に、相互になんの脈絡もない広大なビル街が出現していたことである。 台湾環境保護署によれば、環境問題についても、大きな進展が見られるという。例えば、大気汚染を改善するために、基金会による排出負荷金制度を導入した。基金会は、その徴収金を公害防止設備のための補助金にあてるなどして、実際に大気汚染の状況は改善されている、という。 しかし、と首をひねった私ではある。台北のまちを歩けば、自動車による大気汚染は、MTR建設にかかわらず、進行していることがわかる。台南から高雄へ至る高速道路は日本の休日の中央道にも勝るとも劣らない大渋滞である。周辺のコンビナートと加えて汚染状況はいかばかりか。負荷金制度は、どうやら、自動車排ガス汚染の改善には役立っていない様子である。 ところで、台北から南に下れば、家並みはとぎれることなく続くが、その周囲には、ビンロウの林、ヤシの並木、サトウキビ畑、水田と養魚場が続くいかにも南の島の風景である。その中にここそこと、廃棄物最終処分場や不法投棄場所が堂々とその姿をさらしている。まちに近づくと廃棄物焼却場特有の煙突が見られる。中国らしい華やかな彩りで飾られた煙突すらある。南国の風景もまた、「経済発展」の裏側特有の表情を見せていることが印象的であった。 最後に、今回は台湾の湿地をめぐる話は豊富だった。山派の私としては、台湾の山岳地帯の問題をぜひ扱って欲しかった。何か特定の問題を知っているかといわれれば、なんの知識もないのだが、でもあれだけの高山地域を抱えていて、何らの問題もないということはありえないし、とりあえず、林業と観光による環境問題は確実にあるのではないか、と考えるのだが。 | ||
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未知の情報を知り、様変わりした台湾の状況を見て収穫大だった ◆ 磯崎博司 (岩手大学 教授)
私自身は第3回の京都会議の時からの参加になるが、それらとの比較というか、これまでと今回の違いを思いつくままにピックアップしてみると、何と言っても陳水扁総統が開会式に出席してくれたことがもっとも異なる点であるが、これは台湾だから実現した、極めて特殊なケースであろう。 会議の運営方法が派手ではないか、などの意見は私も聞いたが、基本的にはお国柄と理解すべきで、今回初めて登場したAPNEC6のロゴマークなども邱実行委員長自らがデザインしたそうで、彼のセンスと熱意の発露と受け止めてあげればいいのではないか。 また、総統が姿を見せ、マスコミも大きく扱ってくれたので、一部にあるように、もう1歩踏み込んで、一般向けに公開するシンポジウムなり、フォーラムも考えても良かったかなという思いは私ももった。 問題は今回の内容、質がどうだったかということで、私の担当というか、セッションのチェアーズを務めた範囲で申し上げると、ウェットランド関連では4つの発表があり、少なくても前回よりはレベルがさらに高くなった事は間違いない。とくに、邱さんのご専門でもあり、また渡り鳥では台湾のロケーションは重要だし、そういう意味で国際ネットワークへの参加という意欲が強いので、陳総統も出席されたという背景があると思うが、前進したと言って良いだろう。 初めて参加された向きには、テーマが多様化していて、あれもこれもという印象を持たれたかと思うが、結局、初めて出てきた国や発表者はどうしてもあれもこれもという発表の欲とも言える前向きの姿勢が出るので、そういう感じになるが、今回6回目でその辺がまとまり始めてきたというか、テーマのウェートという点でも前回は温暖化とエネルギーであったが、今回はウェットランドに重点がおかれていたということは言えるわけで、その意味では、収斂して来たと言うか、進化したAPNECになりはじめたという評価は出来ると思う。 それで、問題はその先にあるわけで、APNEC本来の目的であるいかに政策に反映させるかという意味では報告の数をもう少し絞って、ディスカッションの時間をより多く取るということが次回以降の課題といえよう。問題提起と、どうしたらいいかということはかなり出始めているので、それをどう実際の政策に反映したり、実現するかにシフトしていくという、APNEC本来の目指す所に近づきたいということではないだろうか。 最後に、あえて残念だった事を申し上げると、政治的なことも含めていろいろな事情があったため、中国代表のビザが間に合わなかったことで、アクションを起こす時間が足らなかったということもあったかもしれないが……。 【2002年11月3日、中信大飯店で】
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APNECは明らかにレベルアップし進化した ◆ 中村玲子 (ラムサール・センター・ジャパン事務局長)
それから、政治的な理由、要因が大きいが、国によってはお金を保証すれば日本に呼べるけど、日本から行くことは難しいというケースがあったけど、このように第3の場所で一堂に会せるということには時代が変わったなあと痛感する。アジアの経済力に底力がついてきたと思いますね。 公害問題を議論する場合はどうしても白黒つけるというか、敵対的な関係が先に立ってしまいがちですが、湿地の話とか自然環境の問題はそう先鋭的でなく、かりに立場が分れてもどうやって一緒に協力し合っていくかという線が出てきます。現に、今回のAPNEC6でも、企業とNGOが協力し合って何かをやっていくとかの例がいくつも出てきているという報告もありましたが、そういう現象・事例はAPNECの歴史の積み重ねというか、一歩も二歩も前へ踏み出し始めたと評価したいですね。少なくとも3回目だったと思いますが「京都会議」の時などと比べると、APNECも随分変ってきたなという感を強くしますね。 今回私が関連した各論で言うと、タイから来られた方でNGOではなく、地域共同体のコーディネーター、多分学校の先生だと思うのですが、そういう人がプレゼンテーションをしました。そして、以前はほとんど英語を話さなかったのですが、今回は英語を話し、しかもパーポイントを駆使してのプレゼンテーションをやられていたのには驚きました。こういうのは、今回のAPNEC6で得たものを持ち帰って、それがさらにそこの活動強化につながるわけで、その他にもフィリピンのNGOとか、いわばインターナショナルNGOでなく、ローカルNGOの人たちが来ていたことも今回の特色であり、APNECが進化してきたことを示す一端だと言っても良いのではないでしょうか。 あと、台湾は国際政治情勢の中では特殊というか、孤立していますよね。したがって、いわゆる国際的な経験という点ではそう豊富ではありませんよね。そういうところがこの種の会議のホストを務めあげたという経験。それから邱先生のリーダーシップの発露と思いますが、ボランティアの学生たちがとにかく元気がよかった。はつらつとしていましたし、何よりも笑顔で一生懸命やってくれたことがさわやかな印象として強く残りました。 それらを含めて、「来て良かった」と思いました。
【2002年11月3日、中信大飯店の会場で】
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