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| 学生の声 |
| APNEC6に参加して |
| 尾崎 寛直 (東京大学大学院総合文化研究科博士課程) |
| APNEC6参加者の中で、学生としてはおそらくただ一人、発表した尾崎君にもメール座談会と同じ設問でコメントを寄せてもらった。
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流暢な英語・最新のハードを駆使する各国の研究者に迫力 ―― APNEC6に参加して感じたことを聞かせてください。
―― それらを通じて「日本」は何をすべきかと思いましたか?
尾崎:やはりそういうなかでも、未曾有の経済成長を実現し、同時に甚大な公害問題を経験した日本のイニシアティブは大事だろうと思います。今後のアジアのうなぎ登りの経済成長は止めがたいとしても、その過程で日本と同じ過ちを犯さないために、よりサステイナブルな方向での成長をめざしていけるように一致協力・誘導していくことが必要でしょう。そのための討論を各国の関係者が行える土俵をつくることがまず必要。今回のAPNECのような研究者も市民も乗っかって自由に議論できる「プラットフォーム」づくりに、日本は大きく貢献すべきだと思います。
尾崎:学生の本分は研究だとすると、アジアの国々へどんどん出かけていって、公害問題などの実態調査を進めていくことが必要ではないでしょうか。そうした研究がアジアの国々で埋もれてしまっていた公害被害者を掘り起こし、反公害・環境破壊反対に立ち上がる市民やNGOを鼓舞する力になると思います。もちろん、きわめて複雑な構図の中でアジアの環境破壊や公害は引き起こされている場合も多いので、そこを解明していくことも日本の学生の役割なんだろうと思います、公害輸出先進国の学生として……。同時に、日本の環境問題にも再度目を向けて、ここでの経験を詳細に、わかりやすくまとめ、伝えていくことも必要でしょうね。できればその経験をどんどん海外で発表していくべきかな、と。
尾崎:問題の発生様態はすでにグローバルな経済を前提に発生しているにもかかわらず、問題の解決をめざす際には常に「南北問題」が持ち出されて、「それを解決しない限り……」と議論が止まってしまうという印象があります。「南」と思われていた国のなかで、さらに発展途上の国々に対して公害輸出や環境破壊的な経済進出をする事例も出ています。往々にして、「南」の国の中での「南北格差」(富裕層と貧困層の天文学的乖離)が前提になっていることもありますね。ということは、いまや単純な「南北問題」は想定しづらくなっているわけで、それらを解決するためにも、このAPNECのような在野の研究者や市民・市民活動家らが同じ舞台で解決手法を討論できる場がますます重要になっているのではないでしょうか。
途中大会を抜け出して(笑)、ひとりで街の裏通りなんかをじっくり歩いてみたのですが、そこにも庶民の生活は厳然と存在していて、格差は大きいなあと感じました。また一方で、ナショナルパークなどはしっかりと整備されていたりして、環境保全と環境破壊が「共存」している状態で興味深くもありました。
尾崎:博士課程まで来てしまったので(笑)、もう腹をくくって研究者をめざします。当面はこれまでこだわってきた公害問題を対象にして、「公害」の文字とともに事実を風化させないために、フィールドをベースにして地に足の着いた研究をしたいと思っています。市民から「講演に来てもらいたい」と思われるような研究者になりたいですね。もちろん、研究者としてだけでなく、一市民として自らコミュニティ・アクティビティを起こせるような気概は持っていたいものです。
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