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《アジア初の「水銀国際会議」水俣で開催》
 《市民フォーラム》


"「水俣病」は正しく伝えられていない"
弁護団:『水俣病の教訓』を公表
医師団:新病像の研究成果発表




「国際水銀会議」の前日、10月14日午後2時から"水俣病の経験を国民の立場から検証する"ことを目的にした「全国市民フォーラムinみなまた」が全国市民フォーラム実行委員会と水俣病被害者の会全国連絡会の共催により、水俣市湯の児の山海館で開かれ、全国から約150人が参加した。





「環境再生」にはまず法的整備などが必要−宮本滋賀大学長が強調

記念講演をする宮本憲一・滋賀大学学長(壇上)
主催者として千場茂勝・水俣病訴訟弁護団団長、橋口三郎・水俣病被害者の会全国連絡会幹事長のあいさつの後、宮本憲一・滋賀大学学長が記念講演。宮本学長は、初めに「水俣病の責任」として、企業の責任、自治体の責任、科学者の責任、地元住民の責任の"5つの責任"をあげ、それらの教訓として、企業の事前事後防止義務と行政・地方団体の公害対策をより充実させる必要性を指摘し、 これからの環境政策は、 (1)再生しなければならない。しかし、日本の基本的な法制度や行政施策が確立していない。
(2)大気や水に比べると、「土壌」に対する法的整備が遅れている。土壌汚染法などの整備が急務だ、
と強調した。また、翌日から開催される「国際水銀会議」について「それなりに意義はあろうが、宇井純氏や自分を含めてこれまで水俣病研究に努力してきた研究者に(参画の)声がかからないという事実こそ水俣病に対する国などの姿勢がいまなお現われている」と批判した。



全貌不明・社会学的解析不十分・地域再生……水俣病は終わっていない

新たにまとめられた『水俣病の教訓』日本語版(左)と英語版
午後3時半からは弁護団、医師団、その他に分かれての質疑応答が行われた。
弁護団、とくに水俣病訴訟弁護団は「国際水銀会議」で配布されるはずの国水研の報告書は「水俣病裁判のことがまったく抜け落ちており、このままでは世界の人たちに水俣病の教訓が誤って伝えられる」として、弁護団、法律学者によって新たに『水俣病の教訓−水俣病裁判の経験から』を作成したことを明らかにし、会場で配布。
そして、そのまとめにあたった中島晃・京都弁護団副団長、馬奈木昭雄・訴訟弁護団副団長、板井優・同事務局長、村山光信・同副団長らがそれぞれ意見を述べ、豊田誠・東京弁護団副団長が「裁判は終わったが、水俣病は終わっていない。被害の全貌が明らかになっていない。発生からこれまで長引いたことの社会科学的解析が行われていない、地域再生がなされていないからだ」と総括した。



水俣市民も日本国民も知らされていない事実多い

4半世紀、医師として水俣病に取組んでいる藤野さん
続いて医師団からは、藤野糺・水俣協立病院総院長から「1975年から桂島で一斉検診を行ってきたが、明らかに水俣病患者である人は多々いた。1953年(昭和28年)まで住んでいた人はみな水俣病の症状をもっていた。今は、とくに微量汚染に注目している。閉鎖されて残っている水銀がメチル化し、またサイクルするのではないかと考えられる。いずれにしても水俣病は終わっていないので、今後もフンドシを締め直して対応していきたい」との発言があり、さらに高岡滋・水俣協立病院院長が「世界の水俣病に対する研究は日本に比べはるかに進んだレベルで行わている。水俣市民を含めて、日本の国民は知らされていない事実が多い」と糾弾。そして、熊本市の板井八重子医師から、水俣のメチル水銀汚染地区と汚染の少ない長崎県の妊婦を対象にした聞き取り調査の結果として「汚染地区では流産や死産など異常妊娠率が影響の少ない地域の2倍になっており、水銀が与える影響は大きく、相関関係がある」という見解が国際会議に先立ち公表された。



4団体が「最後まで補償と救済を」を国・県への要請声明

さらに、患者4団体は、「最後まで補償と救済を」を国・県に要請、被害者4団体(水俣病患者平和会、水俣病患者連合、 水俣病被害者の会全国連絡会、新潟水俣病被害者の会)を代表して森葭雄さんが10月12日、 「すべての水俣病患者に対する補償と救済を最後まで全うすることが公害企業と行政の責任である」とする声明と、 「医療制度の改革の名で水俣病患者に対する補償責任を放棄してはならない」とする声明をまとめ、 国・県に求めたことを明らかにし、閉会した。



俺は明水園の鬼塚雄治だ…"と歌う鬼塚さん(右)と作曲家の柏木さん
フォーラムの講演と質疑応答の間には"今、水俣で有名なフォーク歌手"鬼塚雄治さんと作曲家の柏木敏治さんによる『安心の詩』などオリジナル曲が演奏され、会場をなごませた。鬼塚さんは胎児性患者で、施設の明水園で生活しているが、体のハンデをはね返すパワーとユーモア溢れる作詞をし、それに柏木さんが曲をつけて機会あるごとに2人で演奏しているという。
*全国市民フォーラム実行委員会
 〒867−0045 熊本県水俣市桜井町2−2−20
 Tel 0966−62−3526  Fax 0966−62−1154
 E-mail:higaisya@fsinet.or.jp





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