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 [新刊紹介]

4年間の記録は未来への針路を背負った

= 『水俣・ほっとはうすにあつまれ!』 =

胎児性患者11人の赤裸々な行動を記録





〈ほっとはうす〉は1998年11月に、水俣病の胎児性患者たちの集いの場であり、共同の作業所として開設された。 この11月で4周年を迎えたことになる。これまでの活動内容をまとめ、 前向きに生きようとしているメンバー11人の姿を広く知ってほしい−という目的で『水俣・ほっとはうすにあつまれ!』が出版された。








原田正純さん(熊本学園大学社会福祉学部教授)が本の帯に「ありがとうといいたくなるかれらの真剣で楽しい、それこそ「ほっとする」ような記録」と書いている。吉井正澄前水俣市長が推薦文で「この本を読むと〈ほっとはうす〉のメンバーが働くことで社会の一員として喜びを感じ、仕事に悩み、他人に思いをいたしている姿が目に浮かびます。人間としての存在感の自覚です」と記している。

胎児性患者は自ら望んでそうなったわけではない。しかし、一般的に言う、不幸を背負ってこの世に生を与えられたものの、少なくとも人並みに一生を全うする権利がある。そういう角張った理論や議論は心の底に秘め、メンバー11人と、サポートする彼らの親たち、加藤たけ子代表を初めとするスタッフの人たち、その他多数の人たちともどもの悲喜こもごもの日々の記録がここに詰まっている。

「水俣病」を過去のもの、遠いところの無関係なもの、あるいはすでに終わったものと思い込んでいる人たちや、水俣病って何?というごく若い人たちに一人でも多く読んで欲しい記録である。とくに、中学・高校・大学の社会授業などの副読本として、図書館の蔵書として多量に備えて欲しい、と提案したい。



読後感を率直に言わせてもらおう。

言葉の遊びではないが、癒し的な意味での「ほっとする」ことはできなかった。むしろ「ホット(hot)になってしまった」ことが一つ。そして、もう一点は、第5章の語り部・杉本栄子さんとご主人・雄さんのインタビュー記事の中で、栄子さんの「この人たちがこれから生きていくための………どうしていくのかを一緒に考える場」とする〈ほっとはうす〉の位置付けは、多分、この活動記録の真髄であり、これを出した事で〈ほっとはうす〉はますます未来に向って進んでいかなければならない彼らと〈ほっとはうす〉自身の針路を内外に示したという重さを否応無しに持ってしまったと言えよう。

最後に、随所に見られる坂本七海さんのカットが秀逸であることも忘れてはならない。

【誉 礼】  






* 発行所:

     世織書房発行

     〒240−0003 横浜市保土ヶ谷区天王町1−12−12  TEL 045−334−5554

     A5版、119ページ。¥1200.(本体)             


* 問合せ先:

     ほっとはうす

     〒867−0065 水俣市浜町1−13−18  TEL 0966−62−8080





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