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《ルポ》漂着ごみ・秋のクリーンアップキャンペーン

ダイバーと“共生”、地道な作業に
 
鵠沼海岸には老若650人以上が参加





海岸に漂着したごみを拾って海岸の美化を図ると同時に、拾い集めたごみを分類、集計してアメリカへ送り、国際的なデータを得るという運動“2002年秋のクリーンアップキャンペーン”が9月〜10月にかけて全国100ヵ所近くの会場で繰り広げられているが、クリーンアップ全国事務局(JEAN)がキャプテンを務める神奈川県藤沢市の鵠沼海岸で2002年9月22日に行われたキャンペーンに初めて参加した。初参加の感じたままをスナップ写真とともにルポする。

【 司 加人 】



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2002年秋の国際海岸クリーンアップキャンペーンは、9月から10月にかけて、北は北海道から南は沖縄までの海岸だけでなく、湖沼や河川、さらにはそれらの海底や湖底などでそれぞれ地元のボランティアグループがキャプテン(主体)になって繰り広げられている。 鵠沼会場は全国ネットを統括するJEANとベアフット協会が主催、(財)かながわ海岸美化財団が共催し、本田技研朝霞研究所や川と海の環境を守る会など企業やNPO、NGO団体が協力している。 JEAN代表の小島あずささんによると、日本におけるごみ調査は1990年にスタートしており、今年で13回目になるという。

今年の鵠沼海岸でのイベントは3つに分かれていて、午前10時〜11時45分までがスケートパーク前でメインのビーチクリーンアップが、同じ時間帯に湘南海岸公園引地川沿いでHONDAビーチクリーナーによるクリーンアップが、 そして、それらの作業を終えて正午から午後2時半までがサーフヴィレッジ水の広場で環境イベントが行われた。以下は午前のビーチクリーンアップのミニルポである。




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元気な幼稚園児の声が全体を盛り上げる


最寄りの駅から会場まで所々にポスターが
「9時45分受付開始」に合わせて、JR・藤沢駅から小田急江ノ島線・鵠沼海岸駅に降り立つと、駅前はすでに多くの老若男女が集まっている。グループ毎のジャンパーがカラフルだ。

なんとなく人の流れについていくと、要所要所に手作りと思われるポスターが張ってある。閑静な住宅街を抜けて10分ほどで国道134号線に出る。歩道橋を越え、引地川を渡ると、メイン会場のスケートパーク。引地川沿いに浜へ向うと淡いブルーのノボリが風にはためいている。

2張りのテントが本部で、すでに受付が始まっている。かなりの“個人データ”を記入していると、「3人で1グループを作りますので、リーダーに従ってください」とのアナウンス。

それから待つこと約30分。初参加ゆえに「ちょっとのんびりしている運営だな」と感じる。グループ毎にいざ行動開始と思いきや、「開会式を行ないますので集まってください」との指示。「開会式? どうして?」のつぶやきも。関係団体の偉い人たちが代わるがわるあいさつや注意を。 意識して、カメラの撮影データに時刻を入れたので、それを見ると、9:40に受付して、ごみ拾いを始めたのが10:20と刻されているので、その間30分。長いのか適当なのかは分からない。 ただ、この日の空模様は、いつ降ってきてもおかしくない状態だっただけに、もう少し短縮の余地と配慮はあってよかったのでは? でも、唯一なごやかにしてくれたのが地元幼稚園児たちの元気の良い声だった。

本部のテントで受付・登録 リーダーの説明を聞く “開会式”も行なわれる

幼稚園児の元気な声が全体を盛り上げてくれた 3人でグループを構成。いざ“出陣” 21世紀の井戸端会議?



圧倒的に多かったたばこのフィルター


そして、リーダーに指定されたゾーンへ砂を踏みしめながら移動。思い思いにごみ集めを始める。初めは3人がそれぞれ拾っていたが、分類集計作業がけっこう大変なので、1人を集計係の“専従”にして、あとの2人はとにかく拾いに専念するという分業システムに切り替えた。

さて、実際に拾ってみてびっくりしたのは、圧倒的に多かったのがたばこのフィルターだ。海から漂着したもの、浜で捨てられたもののいずれかであろうが、いずれにしても喫煙者によってぽい捨てされた結果である事は間違いない。 しかも、ほとんどのフィルターが原型を保ったままだ。いつかの小島さんの講演を思い出す。ここで苦言を一言。「フィルターメーカーのD社さん、中国へ進出するのも自由だけど、一定時間を経過したら自然溶解するフィルターを開発してくれませんか」。

次いでプラスチックの破片類も目立った。そんな中で、一時喧伝されたレジンペレットも散見された。

孤独な?記録係 若いダイバーも飛び入り参加





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ごみ集積作業の横で喫煙するダイバー……


かくして実作業は1時間弱。11時を回ると、「作業を終了して集計してください。集めたごみは集積所へ運んでください」との指示が出て、それぞれが集積所へ持ち込む。決して“前向きの収穫物”ではないが、持ち込む人たちには「クリーンアップに参加した」という小さな満足感が表れている。

が、しかしである。集積所へ近づいて見てしまった風景が…。みんなが懸命に作業しているすぐ横で、海から上がってきたのであろう若い女性ダイバーがたばこを吸っているのだ。なんとも複雑な感じをもった。 吸い残したフィルターをどう処理するかはウォッチするのが恐ろしくてその場を去ったが、彼ら彼女らにしてみれば、「ここは遊び場。あんたたちは勝手に来てごみを拾っている。お互い様」という気持であろうが、場所が場所だけになんとも言えない気持だった。

“大漁節”を歌いたいくらい… 集積所は大忙し 集積所の作業を横目にダイバーは一服!





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参加した何人かの人の声を伝えておこう。


  • 東京・板橋から参加した女性(60歳):初めて参加したが、ごみの量と種類は予想をはるかに上回った。この程度のクリーンアップキャンペーンでは日本中、いや世界中の海岸は汚れる度合の方が早いと痛感した。

  • 神奈川・横須賀から参加した男性(32歳):子供と来たが、広義の環境教育の一環としては参加して良かった。子供もそれなりに感じたものがあったようだ。 フィルターの多さを目の当たりにして、自分を含めて益々喫煙者の肩身が狭くなった。自分は断じてぽい捨てはしていないが…。

  • その小学校2年の子供:楽しかった。学校へ行ったらみんなに話したい。うちのお父さんにたばこを止めて欲しいと思った。

  • 地元の老人たち:今回は流木など自然の漂着物は拾わなかったので、見た目がきれいになったとは言えず、ちょっと欲求不満になった。

  • 黙々と石を運ぶアメリカ青年(25歳):どうしてこういうヘビーなものが海岸にあるのか? でも、みんな良く動くのには感心した。日本にいる間は参加し続けたい。

    パパは何をゲット? 軍手をはめて、はいポーズ! 老人パワーも随所で発揮



  ● 初めて参加して―


親子で学ぶ環境教育の絶好の場ではないか


初めて参加して、歴史やプロセスを知らないで論評することの失礼を承知の上で感想を述べさせていただくと、以下のように整理される。

  1. 13年目の割には(ボランティアの人たちだろうが)素人っぽいリーダーが多く、説明の声も小さくて、張り切って参加したビギナーをややシュンとさせた。
     
  2. “開会式”はセレモニーすぎて、この種のイベントには似つかないのではないか。
     
  3. 幼稚園児の声の元気の良さ、しつけの良さがシュンとした一般参加者たちの士気を鼓舞してくれたのは皮肉だった。環境教育はこの年令から親と一緒に始めるべきで、クリーンアップキャンペーンは格好の材料ではないか。

いずれも、重箱の隅をつつく程度の感想だが、大局的に言えば、この種の運動はまさに全地球的なサイズでやることが必須であるし、今回の集計結果をより多くの人たち、とくに参加していない人たちに伝えることによって、少しでもごみを出さない・捨てないという最低線のモラルを惹起することが大事だと言うよう。

それにしても、JEAN初めキャプテンを務めた人たちやグループの地道な努力には、拍手を送りたい。

佳境に入ったファミリー グループで記念撮影 かくして“全員集合”し、記念撮影で大団円





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● 小島あずささん

日本全体の集計結果は11月初旬にアメリカへ報告


テレビ局のインタビューを受ける小島さんの横をダイバーが悠々と通った。インタビューは即日、放映された

鵠沼会場の結果は、200枚のデータカードの集計作業があるため、すこし時間がかかります。

日本全体の結果は、10月末が集約締め切り、11月初旬にアメリカへの方向ですので、お知らせできるのは11月中旬以降になるでしょう。

ご指摘の、運営全体や開会式などについては、手慣れたJEANのスタッフで仕切るのではなく、地元のボランティアのみなさんに主体となって工夫しながらやっていただいているので、まだまだ完璧とはいきませんが、ご批判は今後に生かしていきたいとおもいます。







* JEAN(クリーンアップ全国事務局)
 
   〒185−0021 国分寺市南町3−23−2 小松ビル3F TEL 042−322−0712





* ベアフット協会
 
   〒185−0021 国分寺市南町3−23−2 小松ビル3F TEL 042−322−1051
 
   [ URL ] http://www.vkn.co.jp/barefoot/





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