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「環境紛争処理北京WS」(4)

 大学生に聞く


【中国の大学生の社会観】
[発言順]
尚 宏博さん(中国政法大学大学修士課程2年)
王 中広さん(  同  )
聞き手 : 司 加人
【2001年9月16日、北京膳飯荘にて】
⇒日 本





活発に話してくれた尚さん(中央)と王さん。左端が桜井さん(膳飯店で)

WS2日目のセッション終了後は日本側主催の、いわば答礼宴。北京名所の一つ、北海公園の池の島の中にある宮廷料理レストランで行われたが、 たまたま同じテーブルで王燦発さんを尊敬し、センター(CLAPV)でボランティア活動をしている中国スタッフの中で恐らくは 最年少の大学生2人と隣り合わせになり、加藤久和さん(名古屋大学大学院教授)や永井進さん(法政大学教授)を交えて、櫻井次郎さん (名古屋大学大学院)に通訳をお願いして話し合っているうちに盛り上がり、以下のような結果になった。短時間であったが中国の大学生がいま、 どんなことを考えているかを垣間見せてもらった感じだ。

▽    ▽


―― お2人はお若いようですが、学生さんですか? 今回のワークショップにはどういう役割で参加しているのですか?

(  ) 2人とも中国政法大学の修士課程2年で、法学部で法律を勉強しています。王先生の考え方、活動に共鳴して、 センターでボランティアさせていただいています。今回、このように日本のいろいろなみなさんと接することができて嬉しく思っています。

(  ) 私もです。


▽ いまは法学部卒が即公務員になるとは限らない ▽ 

―― 卒業後の進路を考えていますか? たとえば、法学部出身となると、公務員とか行政官とかの方向に進むわけですか?

(  ) 法律学部を出たからといって、即、専門的な職業につくとは限りません。いろいろな方面にわたっていますので、 特別にどことは言えません。

―― 日本の場合、法学部だとほとんど行政職へ進む人が多いのですが、中国の場合はそうではないということですね?

(  ) 逆に伺いたいのですが、日本ではどうして公務員になりたい人が多いのですか? 給料が良いからですか?…。

―― 給料そのものは民間企業に比べてそう高くはないけど、職として安定していることと、厚生施設などを含めて身分保証が しっかりしているということからくる評価でしょうね。かつては公務員は嫌われた時代もありましたよ。とくに高度成長時代は 民間企業の給料は高かったから(笑い)。 ところで、中国の場合は?

(  ) まあ、一般的には法学部を出たら4分の1くらいは公務員になります。もちろん公務員試験に受かればの話ですが(笑い)。

―― あとの4分の3は民間企業ということになる?

(  ) 残りの4分の3くらいのうち、4分の1くらいは大学院に進学し、残りの2分の1くらいは民間に出ます。

―― その民間企業ではやはり銀行とか外資企業に人気がありますか?

(  ) そうですね、人気は高いですね。なんといっても給料が高いですから(笑い)。


▽ 中国の公務員はリストラで淘汰されよう ▽

―― 昨日もきょうもシンポジウムの中で中国の公務員というか、行政機関にはかなりの批判が出ていましたね、大いに問題ありと…。 これらの批判についてあなた方はこれからその道に進むかもしれないのですが、なにかコメントがありますか。

(  ) ここ2、3年の間に公務員もリストラがあり、質の悪いのは淘汰されているので、これからは改善されていくと思っています。

―― そういう意味では公務員や行政官は狭き門になりますね。

(  ) はい、競争率が高くなっているのは事実です。


▽ そんなに心配してない就職戦線 ▽

―― 就職についてはそんなに心配ないのですか?

(  ) ないとは言えません。修士を出ても望み通りの職につけるとは限りません。向こうのニーズとこっちのニーズは必ずしも一致しません (笑い)。

―― 日本には就職浪人という言葉があります。もっとも今は不景気でそういう人たちは少なくなりましたが…。

(  ) 中国にはそういうことはありません(笑い)。試験に受からなかった時だけ、結果としてそうなりますが…。

―― もし、あなた方が希望通り就職できなかったらどうする?

(  ) 希望通りに行かないことはよくあります。その場合には違うところに行きます。(中国の場合)修士を出てれば就職率はいいので、 ボクはあまり心配していません。

―― 就職した後、転職についてはどう考えますか?

(  ) それは当然のことです。中国では日常茶飯事です。


▽ 起業して儲け、それを環境改善に役立てたい ▽

―― ということは、日本でも最近薄れてきているのですが、永久就職という発想はない?

(  ) 人によって違いますが、ぼくらにはそういう気はありませんね。ボクには目標としている6つの職業があります。 それは外国語関係、環境関係、経済関係、貿易関係、管理部門関係、起業家です。

空港へプラカードを持って迎えに来てくれた尚さん
―― その中でベストチョイスは企業家でしょう?(笑い)

(  ) そうです、どうして分かるのかなあ(笑い)。起業して成功したらその仕事は人にまかせて、自分は環境の仕事をしたいと思っています。

―― なぜそのように考えるのでしょう?

(  ) 家庭環境などによると思います。

―― 尚君の将来展望は?

(  ) ボクは、このまま大学に残って博士課程に進みたいと考えています。

―― 大学院を出たあとは?

(  ) その時に興味のある職業に就くと思いますが、多分研究職に就くと思います。

―― 研究職としては、研究所に勤めるのと大学の先生になるのとどちらを望みますか?

(  ) 大学で教鞭をとる方です。

―― 大学の先生って、やはり公務員でしょ?

(  ) やはり職業としては安定しているし、収入も昔に比べたら上がっていますし(笑い)。


▽ 就学中のアルバイトはもっぱら家庭教師 ▽

―― ところで、お2人にはガールフレンドは何人いますか? こういう質問は失礼ですか?

(  ) 全然問題ありませんが、あまり良い答えがありません(笑い)

―― ご兄弟は?

(  ) 3人です。男3人のボクは末っ子です。

(  ) 3人は同じですが、ボクの場合、上は2人とも姉です。一人っ子政策の前に滑り込みで生まれました(笑い)。

―― ラッキーですね(笑い)。

(  ) いや、もうボクらは(1人以上は)作れませんからラッキーとは言えません(笑い)。

(  ) 日本では今でも出産に対する制限はないのですか?

―― ありません。

(  ) 日本人の男がちゃぶ台をひっくり返すのをテレビで見たことがありますが、今でもあのようなことはあるんですか?

―― うーん、それは昔の話だと思うな。今ではもうそんなことする男はほとんどいないと思うよ。最後に、いま、アルバイト事情はどうですか?

(  ) 大学がある時期のバイトは家庭教師が一番多いです。長期の休みになれば他の職種のアルバイトもします。

―― 食事をしながら、失礼だったとは思いますが、いろいろ話してもらって、みなさんの考えていることが良く分かりました。 これからも「環境問題」の改善・解決にお互い努力しましょう。ありがとうございました。あとは料理をエンジョイしてください(笑い)。





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