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【解説】秦皇島列車騒音事件
1995年、北京鉄道局が大秦鉄道西バイパス工程の改修を開始し、改修された鉄道は秦皇島市大里営村を通ることになった。1997年、大秦鉄道西バイパス工程によって、鉄道両側の60戸余りの村民は移転させられ、その距離は最大41メートル前後以内であった。しかし、西バイパス鉄道両側20〜40メートルの範囲にはなお11戸の村民が移転されず残され、11戸の村民は絶えず政府関係部門に状況を訴えた。
1999年、11戸の村民は移転問題が未解決のため長期にわたり鉄道騒音の影響を受けていることについて北京鉄道局に状況報告を行い、被害排除と損害賠償60万元余りを要求した。北京鉄道運輸法院が秦皇島市海港区法院から事件の移送を受けてから、2度にわたり審理が行われた。一審において原告は、1999年3月29日秦皇島市環境モニタリング・ステーションのモニタリング結果が鉄道周辺騒音限界値を超えていたという報告を提出したが、被告は鉄道部第三測量設計院環境工程設計処による鉄道周辺騒音限界値を超えていないというモニタリング結果の報告を提出した。
2000年11月8日、一審法院が中国環境モニタリング・センターにモニタリングを委託したところ、62デシベル前後と、鉄道周辺騒音限界値を超えてないという結果が得られた。2001年1月15日、北京鉄道運輸法院は、中国環境モニタリング・センターのモニタリング結果が国家鉄道周辺騒音限界値を超えておらず、原告が住居の亀裂と鉄道の振動との因果関係を証明できないなどを理由として原告の訴訟請求をしりぞけた。
一審判決後、11戸の原告はそれに不服として、一審の法律適用は不当であり、中国環境モニタリング・センターのモニタリング報告には法的効力がないことを理由に控訴した。北京鉄道運輸中級法院は2001年6月18日に民事決定(裁定)を下し、北京鉄道運輸法院の一審判決を棄却した。一審法院の判決が依拠した騒音モニタリング部門の「騒音測定報告」で、昼夜とも鉄道周辺騒音限界値を超えていないと結論を出しているが、控訴人はモニタリング部門の騒音測定時における気象条件に異議を提起した。そのため、二審法院は文書で国家環境保護局に対して「騒音測定報告」の結論の効力と正確さについての解釈を求め、そして当局は文書で「当環境モニタリング機構がこの気象条件で行ったモニタリング結果は、基準の要求するところによれば無効とすべきである」と回答した。そのため、二審法院は、一審判決は事実不明確、証拠不十分であり、再度審議すべきであるとした。「中華人民共和国民事訴訟法」第153条第1款第3項の規定により一審を取り消し、北京鉄道運輸法院に再審を求める決定を下した。この間、中央テレビ局、河北テレビ局がこの事件を非常に重視して報道を行った。
事件はまだ審理中である。双方の主な争点は、いかにして環境騒音汚染を認定するかということである。原告は都市区域環境騒音基準を適用し音環境質の基準を環境騒音汚染と認定すべきとし、一方被告は鉄道周辺騒音限界値すなわち環境騒音基準を環境騒音汚染と認定すべきであるとしている。
関係する主な法律規定は以下の通り。
- 「中華人民共和国民法通則」第124条:国家の環境保護・汚染防止の規定に違反し、環境汚染によって他人に損害をもたらしたものは、法にもとづき民事責任を負うべきである。
- 「中華人民共和国環境騒音汚染防止処理法」第61条:環境騒音汚染の被害を受けた組織または個人は、加害者に対して被害排除を要求する権利と、損害がもたらされた場合は法にもとづき損害賠償を請求する権利を有する。
- 「中華人民共和国民事訴訟法」第153条:二審人民法院は、上訴された事件について、審理を経て、以下にあげた状況によってそれぞれ処理を行う。
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(1) | 原判決が事実を明確に認定し、法律を正確に適用した場合、上訴を撤回し、原判決を維持する。原判決の法律適用に誤りがあった場合、法に基づき修正判決を下す。 |
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(2) | 原判決の事実認定に誤りがあるか、原判決の事実認定が不明確、証拠不十分である場合、原判決を取り消し、原審人民法院に差し戻すか事実を精査した上で修正判決を下す。 |
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(3) | 原判決が法定手続きに違反し、事件の正確な判決に影響を与えた可能性がある場合、原判決を撤回し、原審人民法院に差し戻す。当事者は再審事件の判決や決定(裁定)に対して上訴をすることができる。 |
【原文:中国政法大学公害被害者法律援助センター、訳:大塚健司】
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