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「環境紛争処理北京WS」(2)

 コメント


《北京WSに出席して》

北京ワークショップに出席して、どのような感想を抱いたのか、コメントをお願いしたところ、まず5人の方から回答をいただいた。回答順にご紹介する。


設 問 内 容
Q1: 開催前にもっていたイメージに比べ、開催後振り返ってどのような感想を持ちましたか?
Q2: 今WS中で、もっとも印象に残ったこと(報告、現地調査、懇親会、その他)は何でしたか?
Q3: 今回のやりとりを踏まえて、今後、日中間で出来ること、やるべきことは何だとお考えでしょうか?
Q4: その他一般で感じられたことがありましたら、お聞かせ下さい。

回  答  者
除本 理史 さん (東京経済大学経済学部助教授)
村松 昭夫 さん (弁護士・全国公害弁護団連絡会議前事務局長)
片山 博文 さん (桜美林大学経済学部専任講師)
大久保規子 さん (甲南大学法学部教授)
森脇 君雄 さん (西淀川公害患者の会会長)








 
除本理史 さん (東京経済大学経済学部助教授)

中国の環境NGOの質の高さを実感

A1:
事前の情報によれば、正直なところ、中国での環境NGO活動に対する評価はあまり高いとはいえませんでしたが、今回はじめて中国の環境NGOと交流し、その質の高さを実感いたしました。

A2:
ワークショップでの中国側報告者の熱意と、現地調査(中国政法大学公害被害者法律援助センター訪問を含む)が心に残っております。とくに、ワークショップ会場で、内蒙古の大気汚染被害者が休憩時間に自分の被害を訴えていた姿が思い出されます。

A3:
両国の司法・行政制度の違いをふまえた経験交流が重要になると思われます。そのための調査研究も必要でしょう。また、双方のNGO活動を維持可能なものとしていくための協力も求められていると思います。

A4:
市場経済化が急速に進んでいること、また、大都市化の進展などを実感してまいりました。中国の動向が今世紀の環境問題のキー・ファクターであるとよくいわれますが、その一端を自分の目でみることができました。

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村松昭夫 さん (弁護士・全国公害弁護団連絡会議前事務局長)

今回がもっとも得るもの多かった

A1:
WS開催前は、ワークショップでどの程度のかみ合った議論がされるのか、疑問を持っていましたが、2日間のワークショップでは日中双方の問題状況がよく交流され、議論されたのではないかと思います。特に、中国の公害環境問題の現状や裁判の状況、法的な問題などが大変よくわかりました。アジア環境会議などにも参加した経験がありますが、今回のWSが最も得るものが多かったと思います。

A2:
やはり職業柄、中国の司法状況について一定の理解ができたことはよかったと思います。特に、女性裁判官が、中国の裁判の問題点について、法律の基礎的な素養を持っている裁判官がわずか10数パーセントしかいない点や、裁判あるいは裁判官の独立が保障されていない点を指摘されたことは強く印象に残っています。また、公害環境裁判に関しては、環境保護や公害規制の一定の法整備がなされるようになっているにもかかわらず、裁判の現場では経済発展を優先する考え方が依然として根強く残っているということを感じました。

A3:
こうしたWSは今後も必要ではないでしょうか。まずは互いの問題状況を交流しあうことは今後も意義のあることですし、できることならば、いくつかの具体的な公害環境問題について、共に知恵を出し合うような議論ができればよりおもしろいのではないかと思っています。

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片山博文 さん (桜美林大学経済学部専任講師)

初の訪中、センター関係者の変革への熱意に感銘

A1:
公害被害者の方々を含め、中国側の参加者のみなさんが自国の現状について率直に語られたのが驚きでした。かつて(といっても10年位前のことですが)ソ連・ロシア研究のためロシアを何度か訪れたときは、まだものを言うのにどこか不自由な感じがありました。
工場見学をすると、工場長のそばに怖い顔をしたおばさんがいて、会話を全部筆記しているとか・・・。そんな「社会主義」のステレオタイプなイメージを持って今回中国を訪れたのですが、センターの みなさんの現状変革への熱意と私たちへの誠意ある対応に大きな感銘を受けました。

A2:
公害被害の現地調査で、中国の農村部に行くことができたのが貴重な体験でした。初めての中国訪問で、中国ビギナーの私には、とても行けそうもない所だったので・・・。訪問先には経済的に貧しい地域もあり、生活苦の中で公害反対の声をあげていくのは大変なことだと思いますが、そうした中で頑張っている方にもお会いすることができました。

A3:
研究者やNGOレベルでの交流をもっと深めていく必要があります。できれば韓国や台湾を含め、東アジアのネットワークを拡大していければと思うのです。国のレベルではいろいろと障害があるし、また日本のアジア外交も当てにならないので。

A4:
中国は食事がおいしい。今回は食欲の限界に挑戦しました。また、ヨーロッパに行ったときは、自分が異邦人であるという感覚がどこかつきまとい、世界と自分が対立している、われ思うゆえにわれあり、という感じだったのですが、中国ではそうした違和感をほとんど感じることがありませんでした。日本人と中国人のメンタリティはかなり違うとも思うのですが、やはり同じアジア人なのかもしれません。

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大久保規子 さん (甲南大学法学部教授)

率直な意見交換ができ、運営もスムースだった

A1:
1) 中国側の参加者が、研究者から被害者、行政担当者、弁護士、裁判官まで幅広かったため、中国における環境紛争および裁判の現状ついて、さまざまな角度から学ぶことができた。しかも、予想以上に率直な意見交換ができたことが大きな成果であった。

2) 国際ワークショップでは、しばしば翻訳上の問題で議論がかみ合わないことがあるが、今回は大変良い通訳の方やボランティアの方々に恵まれ、非常にスムースな大会運営がなされたと思う。

A2:
ワークショップおよび現地調査を通じ、被害者の声、裁判を支えた弁護士の声、裁判に携わる裁判官の怒りの声、被害者救済活動の実態など、現場の生の声を初めて聞くことができた。これまでは中国の法律の翻訳・解説を読むのみで、その運用実態を具体的にイメージすることができなかったが、今回、少しではあるがそれを垣間見ることができたように思う。

A3:
ワークショップでつながった人的ネットワークを発展させ、アドホックなワークショップのみならず、メール等を通じた恒常的な情報交換ができると良い。同時に、予算面での制約はあるが、現地調査や官庁ヒアリングの機会も何とか増やしたい。
また、今回は総論的な話が多かったが、今後は、個別の分野(水質汚濁、大気汚染など)ごとに、法律の運用実態について意見交換をしてみたい。特に自然保護法の分野については、ごく限られた情報しか日本に伝わっていないように思うので、これから力をいれていくべきではないか。

A4:
個人的には、7、8年前の訪中時に知り合った許先生と偶然再会できたことが嬉しかった。縁は不思議なものだと思う。

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森脇君雄 さん (西淀川公害患者の会会長)

具体的な事例を真剣に討議。2年後の開催を希望

私は今回初めて中国に行きました。北京は思ったより整理されたきれいな街でした。中国料理も美味しいし、歴史の重みと新しい息吹を感じました。

環境紛争では、韓国、台湾、タイ、フイリッピンなどと違い、運動を中心にすえて闘い抜いた私は「大気汚染と公害被害者運動がわかる本」を中国語に訳して報告しましたが、企業相手に大規模な裁判闘争、デモ、ビラ配布が禁止されている中国でどこまで理解されたかが心配です。

今回、環境紛争処理問題で、日中の学者が会議で真剣に討議されました。具体的な事例も多く出され、被害者も参加しました。まだまだ今後の課題もありますが本当によかったと実感しています。2年後に会議が開かれることを希望します。







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