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「環境紛争処理北京WS」(1)

 第1日開幕式



=初の試み。日中双方とも期待込め開幕=

《開幕式》

9月15日午前9時、主会場の北京友誼賓館友誼宮2階会議室で行われた。壇上に日中双方の首脳、江小珂全人代環境保護委員会委員ら来賓が並ぶ中、中国側は卞建林・中国政法大学中国法政研究所長が、日本側は永井進・日本環境会議副理事長(法政大学経済学部教授)が座長になり、進行。趙相林・中国政法大学副校長から順次開幕あいさつが行われた。



=日本の体験を学び、環境問題解決に邁進したい=

●趙相林・中国政法大学副校長
開幕あいさつ:趙相林(中国政法大学副校長)

  • ここ北京で環境紛争処理ワークショップが開催され、日中両国の学者、専門家、汚染被害者たちが一堂に会し、議論することによって人類の環境権を守る有効な措置と方法をともに協議することは非常な意味を持っている。
  • 中国政法大学を代表するとともに、個人としても日本のみなさんの来訪を歓迎する。
    またサポートしていただいた国際交流基金、フォード財団、日本環境会議などに感謝したい。
  • 今や環境を守り、健全な生活を送ることは国を問わず共通した念願である。しかしながら、今、環境問題は各国が関わっている問題であり、いかに公正で合理的で有効に環境紛争を解決していくか、そのためには多くの法学者、社会学者、経済学者、環境専門家が模索していかなければいけない。
  • 中国は発展途上国として経済発展に注力しているが、それとともに多くの環境紛争も引き起こしていることも事実で、中国政府は環境紛争処理には力を入れているものの、実際には多くの難しい局面に遭遇している。
  • 我々中国政法大学は王教授を中心に環境訴訟処理に対しては最高の研究を進めてきており、その延長線で「公害被害者法律援助センター」を設立し、全国の汚染被害者との法律援助のホットラインを設置したが、これは今、中国でもっとも注目を集めている。今回のワークショップは、このセンターが国際交流を行う初めての試みだ。
  • 日中は一衣帯水の関係だ。様々な歴史上の経験をもっている。日本は60年−70年代に環境問題が深刻で、環境紛争が多発した経験を持っていると思うが、今日の日本は世界で認められる成果を上げており、中国としても学ぶ点が多々ある。
  • 今日の中国は細大の発展途上国として、環境紛争の複雑さと厳しさは他国と比べようがない。中国が環境紛争を解決することは日本を含む他の国にとっても意義があろう。今回のワークショップで価値ある提案をしていきたい。そして、提案するだけでなく、両国の学者が緊密な関係を築き上げることを祈り、このワークショップの成功を期待したい。


=昨年の環境紛争の訴えは40万件に迫ろうとした=

●別 涛・国家環境保護総局政策法規司処長
別 涛(国家環境保護総局政策法規司処長)

  • このワークショップに対する期待と願いを申し上げたいが、初めに中国の環境紛争についての現状を申し上げたい。これは環境資源保護総局が今年の6月5日に集計した環境紛争問題の最新のデータである。
  • 2000年の総局の下の各省、各県の環境保護センターが手紙によって受理した訴えは24万7000件であった。これ以外に直接センターに訴えにきた人数は13万9400人あまりだった。さらに、いろいろな形で陳情してきたのは5万数千件で、その内容を分析した結果はすべて環境汚染公害に関する訴えであった。
  • 私自身が中国の現状を分析した結果、多くの公害問題をかかえており、これは近代化をハイスピードで進めいるためで、鉱業からの廃棄物による汚染が多い。日本においても同じようなことがあったのではないか。したがって、日本が歩んできた道、積み重ねてきた経験を教えていただければありがたいし、それがこのワークショップへの私の期待でもある。
  • 中国においては省と省が環境紛争し、これに国務省が損害賠償の命令を下したにもかかわらず、いまだに実行されていないケースがある。
  • また、汚染のいくつかの実例を上げれば、たとえば山東省では製紙工場の排水によってダムの水が汚染され、その水は飲用できなくなってしまった。
  • 3大河川の淮河が大きな汚染問題にさらされており、解決の見通しも立たない。河川の場合、多県にまたがり、上流と下流に位置する省の間の争いでは中級法院(裁判所)も介入できないで、管轄外ということで中級から高級に替えても省が替わると訴えは受付けられない。このため解決が遅れることが多い。また、地方政府自身が汚染の当事者になっていることもある。
  • これらのことについて、なにか良いアイデアがないか、アドバイスしていただきたい。公平さ、公正さと中国の法律は複雑であり、それを簡素化することによって、なんら過ちを犯していない被害者たちを守りたい。



=「被害者救済と紛争処理」−本質を突いている今回のテーマ=

●淡路剛久・日本環境会議理事長(立教大学法学部長)
淡路剛久(日本側代表・日本環境会議理事長)

  • 日本環境会議および日本からの参加者を代表して御礼を申し上げたい。本日このワークショップを開くにあたって、3年前から王先生たちが準備をされたことに感謝し、きょうご出席の方々にも御礼を申し上げる。
  • 私たちの、今回のワークショップへの期待について申し上げたい。その第1点は、今回のテーマは、「被害者の救済と紛争処理」だが、これは公害問題、環境問題の本質を突いたものと考える。日本の経験から言うと、被害者の救済なくしては公害をなくすことはできない、ということを強調したい。
  • 第2点は、日中のワークショップであるということだ。アジアにおいて世界において日本と中国が占める地位は非常に大きなものがあり、具体的に見ても近代化を先に行って公害を引き起こした国と、今、大変な成長を遂げているが、しかし環境汚染が出つつあるという国、経済的な比重、アジアにおける日中の占める地位など諸々を考えると、日中が協力してこういう問題について情報交換し合いながら解決の道をさぐってゆくということは大変重要と思う。
  • 3つ目は、こんどのワークショップがNGOベースで行われるということも意義が大きい。NGOがこの公害被害者に対する救済をどうしていくか、公害紛争の解決をどう制度化していくか、これについてNGOベースで様々な政策を考えて、それを国家がサポートしていくというやり方は苦労を伴うが真により良い方向を目指すためには重要な手法ではないかと考える。
  • さきほど別 涛先生から中国の事情を伺ったが、必ずしも日中は同じ問題でなく、省が被害者になったり、日本とは異なる局面もあるが、多くの問題については情報交換し合うことは大変意義あることだと思っており、中国の被害者紛争救済のための動き、その制度が今後益々加速されるというステップにこのワークショップがなれば参加者として喜びであるし、期待しているところだ。




=増えている中国の環境紛争。日本の知恵借りたい=

●王燦発・公害被害者法律援助センター長(中国法政大学教授)
王燦発(中国側代表・中国政法大学公害被害者法律援助センター主任)

  • みなさんの来中を心から歓迎する。今、我々のワークショップはいよいよ開幕するはこびとなった。
  • 中国の近代化の進展にしたがって、中国の環境問題も環境汚染、環境破壊によって環境訴訟もだんだん多くなってきた。
  • 環境紛争の解決、国民の環境権の確保、国の環境法律の立法と実施をうまく進めるために政法大学は98年に「公害被害者法律援助センター」を設立し、99年11月からは汚染被害者のホットラインの電話を敷設し、無料で法律的な援助を与えてきた。
  • 汚染被害者の援助をしているうちに、私たちは環境紛争の解決は難しく、かつ複雑で、法律的にも難しいということが分かった。そこで日本のことを思い出した。日本は過去60−70年代に環境問題では厳しい状況を経験した。しかしながら環境紛争処理をよりうまく解決することができ、社会の不安要素を減らすこともできた。昔の公害列島はグリーン列島になった点にも学ぶ必要がある。
  • 環境紛争処理のワークショップを通じて国内、国内外の関係者が交流を通じて互いの長所を学び、勉強していきたい。





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