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=インド・ボパール事件被害者、相次ぎ来日=

ともに「発生17年経つも事態好転しない。サポートを」訴える




サポートを求めるナムデオさん、シャバールさん(左奥)を囲んでの集会 [東京・亀戸の全国労働安全センターで]
17年前、インドのボパールで有毒ガス漏れの被害を受け、いまなお苦しんでいる被害者の3グループ代表がこのほど相次いで来日した。
先に来日したのは毒ガス被害者女性同盟と被害者組織毒ガス被害者統一戦線代表の2人。このほど来日したのはボパールガス被害女性文具労働者労働組合代表とサンバブナ民衆診療所の代表の2人で、異口同音に原因者の米ユニオン・カーバイド(UCC。現在はダウ・ケミカルに買収され、翼下に)とインド政府側の責任を果たさないことに抗議するとともに、日本の各層に側面的なサポートを求めた。

前者は東京で集会がもたれ、後者は北九州でインタビューしたので、レポートする。

【司 加人】






環境破壊の橋作りの中止など日本からもプレッシャーを

ナムデオさん(左)とシャバールさん
インド・ボパール事件の被害者団体の2人のリーダーの来日を機に、「ボパール事件を考える会」(代表=谷洋一氏)が11月9日、東京・亀戸の全国労働安全センターで開かれた。
今回来日したのは毒ガス被害者女性同盟のリーダー、アブドル・シャバールさんと、毒ガス被害者統一戦線代表のパルキシュナ・ナムデオさんの2人で、滋賀で開かれた第9回世界湖沼会議守山セッションに参加した後、上京したもので、事件発生以来、17年目を迎えたものの、被害者の置かれた状況は少しも好転していないことを踏まえて、日本側の支援・協力を訴えた。
両氏から事件の経過や最近の状況など概要次のような説明があった。


  • ご存知と思うが、事件は1984年12月2日深夜から3日の早暁にかけて、米ユニオン・カーバイド社(UCC)のボパール農薬工場から有毒ガスのイソチアン酸メチル(MIC)が噴き出した。
  • 事故発生以来17年を経過したが、事態は何も解決していない。現在、この事故によって多かれ少なかれ被害を受け、健康被害が生じている人は10万人に及んでいるが、認定されている人は1人もいないし、まったく無視されていると言って良い。
  • 今、我々が抱えている問題点は以下の5つに集約される。
    1. 健康状態
    2. 経済的問題:被害者は50万人いるが、政府の援助で創り出された雇用は100人に過ぎない。
    3. 環境問題:現在5000世帯が汚染された水を引用している。汚染されていない水の供給を要求しているが、政府・行政とも対応しない。
    4. 社会的問題:未亡人や親をなくした子どもたちとも救済されていない。
    5. 法廷闘争:UCCがダウに吸収合併されたため、直接当事者でなくなり、やりにくい。インドはもちろん、アメリカでも損害賠償と刑事賠償の両面で民事訴訟を起こしているがらちがあかない。とくに92年から当時のインドUCCのアンダーソン社長の刑事訴追を起こしているが、同人は事件後すぐ国外逃亡しており、探している。今、アメリカはテロリストを爆撃までして探しているが、13000人を殺し、50万人に障害を与えた企業の責任者・アンダーソンを探そうともしない。
  • 今回来日して、この問題を改めてアピールするとともに、国際的な圧力をかけてほし いと願っている。とくに日本のみなさんにはさまざまな角度から力を貸して欲しい。イ ンドの経済復興、とくに被害者団体への資金援助をお願いしたい。
  • 日本からは70億円が投入されて橋作りプロジェクトが進めれているが、環境を破棄する事業であり、むしろこの資金投入は日本政府に圧力をかけて止めて欲しい。
  • 日本の方々からも今の当事者のダウ・ケミカルに事態を好転するようプレッシャーをかけてほしい。
なお、この件に関する問い合わせやサポートの申し入れは下記窓口へ。
*ボパール事件を考える会 (事務局長=古谷杉郎)
〒136−0071 東京都江東区亀戸7−10−1 Zビル5F
Tel 03−3636−3882 Fax 03−3636−3881 E-mail:joshrc@jca.ax.apc.org





原因者UCCを買収したダウへの責任追及貫く

NGO国際会議[各国代表とともに壇上に並んだ両氏(左から2人目と3人目)]
 
一方、11月23、24の両日、北九州市で開催されたNGO国際会議に参加したのがボパールガス被害者女性文具労働者組合代表のビー・ラシダ女史とサンバブナ民衆診療所のシャルマ・プラナイ氏。ラシダ女史は「まとめの全体会議」で窮状を訴えるとともに、ブラナイ氏は公害の被害と対等の教訓を交流する「第1分科会」において、ボパールのユニオンカーバイドによる惨事と正義を求める闘い」と題する報告を行った。

会期中、両氏は谷洋一さんのあっせんによりインタビューに応じ、概要次のように語った。

―― 事件後、17年経過しているのに状況は好転していないということだが、今回の来日でもっともアピールしたいことは?

( プラナイ )UCC−ダウがきちんとした情報を公開すべきだ、ということを第1にアピールしたい。
そして、もっと重要な問題は健康の問題であって、いまも多くの人たちが被害に苦しんでおり、しかも十分な治療を受けられないという状況にある点だ。

プラナイ氏(左)とラシダ女史
( ラシダ )健康状態とともに、経済的なリハビリテーションがもっとも重要だ。仕事につくことができなければ食べることもできないからだ。 私のところは、いま110人くらいの女性たちが働く組織だが、それに対し、政府は十分な仕事を与えることをしない。これに対する十分なサポートを望んでいる。 もう一つの問題は、飲料水の汚染だ。地下水も汚染されており、とにかく水がなければ生きていけないわけで、これへの適切な対応を強く望んでいる。


―― ボパールの被害者の運動はいくつかに分かれているのか? それらはばらばらに動いているのか?

( プラナイ )組織の形態が違うだけで、基本的には要求としては共通の要求を掲げてやっている。異なる動きをしているわけではない。


―― 交渉相手がUCCからダウになったわけだが、その対応は変わったか?

( ラシダ )UCCからダウに代わったからといって、問題が変わるという筋合いの話しではない。UCCが犯した事故の大きな責任をダウは引き継ぐべきで、我々はそれらの点にチャレンジしていくつもりだ。UCCからダウに代わったからといって、真実は動かない。





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