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=高橋ユリカ著『医療はよみがえるか』=

"医療の何かがおかしい"を足でまとめる
装丁も内容にマッチして秀逸

《さうすウェーブ》【環境−ひと】でおなじみの 高橋ユリカさんがこのほど各地のホスピス・緩和ケア病棟を取材した『医療はよみがえるか―ホスピス・緩和ケア病棟から』が発刊された。





 いささか異例の書評かも知れないが、装丁(水木奏)が秀逸である。近頃、首をひねりたくなるような装丁が多い中で、久々にタイトルと内容と装丁がハーモナイズした本にめぐり合った、というのがまず第1印象だ。
 さて、肝心の中味だが、著者のライフワークの一つのまとめである。自身もガンと闘った経験を含めて、足でまとめた問題提起である。北は群馬(東北や北海道がないのはホスピス不在からか、著者が寒さに弱いのか?…)から南は鹿児島まで20余のホスピスを訪れ、それぞれで多くの患者や関係者にインタビューしている。
 そういう中で、著者の根底にあるキーワード「医療の何かがおかしい」については今回もこれが結論というものは導き出されていないかもしれない。しかし、もう一つの提起である「生きるために闘う」−「闘うことによって生きる」というテーマについては数歩掘り下げたと言って良い。読み進むうちに、ハンセン病や水俣病の人たち一人ひとりの生き方がオーバーラップする。
 《さうすウェーブ》のインタビューにもあるように、著者は一方でダムを中心とする公共事業のあり方への疑問についても現場取材を中心に取り組んでいる。その姿勢は、外見とは裏腹に(失礼!)どこかの軽ジャーナリストのように二つも三つものテーマを器用にこなすのではなく、一つ一つにその時々のエネルギーと神経を集中して取り組んでいる。そんな著者の姿勢に拍手をおくるとともに、これからの積み重ねに期待したい。

【誉 礼】



* 発行所:岩波書店
〒101−8002 東京都千代田区一ツ橋2−5−5  п@03−5210−4000      
B5版変形 249ページ 1800円(本体)