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ということで、化学物質の総合管理は重要だと申し上げたいのですが、とりわけ自主管理に重要性が
あります。それは、全ての化学物質は適正に管理されることが必要ですし、研究開発から
製造→加工→消費→廃棄のライフサイクル全般にわたってリスクを管理することが重要なのですが、
自主管理が重要である積極的な理由としては
@リスクの管理に多様な手段が存在し、その中で事業者の経営戦略に合致した手段の選択が可能。
A社会的ミニマムを超えた水準の管理が可能で、迅速な対応が可能―
などがあげられます。しかし、ここにも光と影がありまして、いくら自主管理が重要といっても
欠点があることも事実です。整理してみますと次のようになります。
| ■ 自主管理 ■ |
| ■ 規 制 ■ |
| ○ | 事業者の創意工夫が生きる |
| × | 規制手法の技術的制約により、管理手法は画一的なものになる |
| ○ | 迅速な対応が可能 |
| × | 規制の導入には時間がかかる |
| ○ | 社会的ミニマムを超えた管理水準の達成が可能 |
| × | 社会的ミニマムを超えた水準の導入は困難 |
| ○ | 事業者の事故責任原則が徹底され、継続的改善努力が促進される |
| × | 規制基準を超える管理水準達成のインセンティブを削ぐ |
| × | 一般的に参加者が限定されるその結果、管理の不徹底や"ただ乗り"が起きる |
| ○ | 悉皆的な参加が確保出来る |
| × | 管理目標の内容・設定に関する意志決定過程が不透明 |
| ○ | 管理目標の内容・設定に専門家を含む関係者の意見の反映が可能 |
| × | 実施状況、実施成果が解かりにくい |
| ○ | 基準の遵守状況、実施成果は公的 機関が監視し、評価出来る |
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要は、長所と欠点を良く考えながらやることが非常に重要だということです。
次に、化学物質の総合管理とは一体どういうことか、という話しに移ります。
項目としては、
(1)知的基盤の整備
(2)ハザード情報の流通の徹底
(3)事業者による自主的リスク管理活動の促進
(4)規制内容の適正化・合理化−
の4点に分かれます。
(1)には、ハザード・データの提供体制の整備、同収集の推進、収集手法、リスク評価・管理手法の
開発・普及が含まれます。ハザード・データとは基本的な性質、基本的な危険性です。どういうレベルで、
どういう濃度だと何%で発ガンするかといったようなハザードをきっちりつかむことが必要で、そういう
データの収集や提供体制の整備が必要です。
基本的に、化学メーカーがこのようなハザードデータをしっかりもつということはメーカーとしての
責任であります。しかし、因果関係が科学的に解明されていないモノについてはどこまでやれるかという
ことは1企業では限界があるわけで、そうすると国の協力を得ながらやっていかなければならないという
ことで、このことが必要だという点ではコンセンサスを得ているものの、まだまだ日本では弱い
といわれています。しかし、その間なにもやらないで手を拱いているわけにはいきません。そこで、
いま化学業界では次のようなことをしています。すなわち、MSDS(Material Safety Data Sheet)
の流通の徹底、イエローカードの普及の促進、ハザード分類の国際調和作業との整合性の確保です。
このうち、イエローカードというのは、文字通り黄色い紙なのですが、不幸にしてたとえば化学品を積んだ
ローリーが横転してしまったような時に、適切な処置が取れるような対策をしたためてあり、2年前から
はじめていますが、まだ徹底は不十分です。もう一つが(3)の事業者による自主的リスク管理活動の
促進です。これは、自主管理促進のためのルール・枠組みの整備とPRTRの適切な導入方策の検討と
いうことになるわけですが、とりわけ化学物質の基礎になるデータを取っていこうということで、
PRTRの導入につながるわけです。
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